最近は建設業がヒマでヒマで仕方ありません。
　　　　　　（我々塗装屋もその建設業の仲間なのですが・・・）
塗装屋よりほかの業種の職人たちがヒマをもてあましてついにペンキを塗っている様子です。

一昔前は外壁塗り替え訪問販売会社の連中が大デタラメなことをお客さんに話して、どこの誰だか分からない塗装屋風の作業員を差し向けて多大な暴利を上げ、社会問題にまでなりましたのでお客さんもそんなところに仕事をお願いしなくなって来ましたが、今度は塗装屋以外の専門業種の職人がペンキを塗っていたり、訪問販売会社の真似をしたりして・・・もう大変です。

たとえば畳屋さんが畳を入れ替えたついでに頼まれたからベランダの手摺を自分で塗ったとか、クロス屋さんがついでに外壁塗装の仕事を受注したとか・・・
まあ、昔からあった話ですが特に最近多いです。

自分でペンキを塗る程度なら問題も少ないですが、見ていると大デタラメな塗り方で、安い家庭用のペンキを毛がたくさん抜ける刷毛で、ガシガシと塗っていました。
「も〜う！見てはいられない！」とはこのことです。
※でも人のことは言っていられません。そういう私もその家の屋根の漆喰の補修を頼まれてやっていました。（瓦職人でもないのに・・・見よう見真似で・・・一応防水目的でしたけど・・・）写真参照。
で結局、私が瓦の漆喰の補修を出来るようなあんばいにしか畳屋さんもペンキをぬれなかったみたいです。当たり前！☆早い話が上手ではない！

でもそのお宅は元々専門職を持っている職人が気力でした工事ですから、まあまあ何とかなっていますが、お気の毒なのは、クロス屋さんがついでに外壁塗装の仕事を受注したお宅です。

当たり前のことですが、そのクロス屋さんも営利目的ですから、安く工事をする所を探したのでしょう。結局どこの誰だか分からない塗装屋風の作業員を差し向けて工事をしたらしく、その半年後にクロス屋さんから当社に電話があり、
「外壁をほかで頼んだのですが、壁から雨漏りがします。お宅で直してもらえませんか」
と依頼を受けまして、事の次第を知ったわけです。昨年９月のことです。

施工してあった工事の内容は、ありがちな訪問販売会社がすることと同じことがしてありました。

素地補修もせず、水生の単層弾性塗材を平べったいローラーで薄塗りしてありました。（一見でわかります）
お客さんは「セラミックが入っていていい材料らしいよ。」
といっていましたが、いくらセラミックが入っていても単層弾性塗材は長期間の耐候性はありません。

「それにしても、クロス屋さんもムチャするなー」とあきれました。
でも、考えてみるとそれもあって不思議じゃない話です。

以前はよく外壁塗り替え訪問販売会社に仕事をもらっていた塗装屋風の作業員（決して塗装屋の職人ではない）も何かしないとご飯を食っていけないのですから、
「安くやりますヨ！　外壁塗り替えがあったら言ってくださいね。」
とクロス屋さんにお願いしていたのかもしれません。

クロス屋さんも安いにこしたことはないでしょうから、悪気があるわけでなくに頼んだのかも知れません。
ただただお気の毒なのは、その家のお客さんの老夫婦です。

あのお宅は2年もしたら、ものすごく壁が汚れてにヒビが入り目も当てられない状況になるでしょうが、私には今回の雨漏りを修理してあげることしか出来ません。
ほんとに残念だと思います。